法学部への進学を考えている方・学部1,2年の方は、こんなうわさを聞いたことありませんか?
「法学部は卒業論文を書かなくても良いみたいだよ」
「法学部は司法試験の勉強だけを4年時はやっていればいいみたい」
こうしたうわさは、果たして本当なのでしょうか
先に結論だけ書くと、法学部の中には他学部と違い卒業論文がないところも多数あります。
では、なぜ法学部には卒業論文がない大学もあるのでしょうか?逆に法学部でも卒論がある場合は、どんなテーマを選べばいいのでしょうか?この記事では法学部の卒論事情についてわかりやすく解説していきます。
法学部に卒論がない理由
法学部に卒論が無い理由、それは「研究として一定の水準以上の論文を生み出すのが、とても難しいから」です。
他の人文社会科学系の学部であれば、フィールドでの調査や先行研究の批判的検討、量的調査など確立された卒業論文を書くための研究手法があります。またテーマに関しても選定の幅が広く、ニッチを狙っていくことで学部生でも独自の見解を示すことが可能です。
しかし法学部の場合、法律に対して独自の法解釈を学部生が研究し示すのはとても難しいです。これは法学部生であれば理解できると思います。
もしあなたが法学に関する論文を書きたい、研究がしたい場合は大学院に進学したり法学者になったりするのが良いでしょう。
以上のような理由で、法学部生には卒業論文が課されていないのです。
法学部に卒論がないことのメリット-就活・資格試験・卒業のしやすさ-
法学部に卒論が無いと聞くと、「卒論が無いと、学業の結果を示せないから問題では!?」と思う人もいるかもしれません。しかし、法学部では卒論が無いことによるメリットも多数あります。その一番大きな理由は「司法試験の勉強」をする為ですが、他にもメリットはあります。
例えば卒論が無いため、就職活動に集中できます。就職活動中に卒論が無いことで、他学部のライバルに差が付けられるでしょう。卒業のしやすさにもつながってきます。
その他には、卒論が無いことで資格が取りやすいというメリットがあります。法学部生がとりやすい&取っておくとよい資格はいろいろあるので、時間を有効活用するのがおすすめ。9月のFP3級や10月の宅建、11月の日商簿記や行政書士何かは受けておくと良いかもしれません。
法学部でも卒論がある大学はある!
ここまでは法学部でも卒論が無い大学についてみてきましたが、法学部の中には卒業論文を書かなければいけない大学も多数あります。
「卒業論文は大学4年間の学びの集大成だから、なくてはならないものである」という考えを持った大学は多く、特にレベルが高いと一般的に言われる大学では「司法試験も卒論もどちらもできて一人前」という傾向が強いかもしれません。
法学部の卒論のテーマ・書き方
法学部の卒論テーマは、学部生に扱えるものは限られます。大学によっては、過去の卒業生の卒論テーマを公開しているところもあるので、それらを参考にテーマを決めるのがおすすめです。
以下のリストは、公開されている卒業論文テーマの一部抜粋です。概要把握に活用してください。
- 離婚後の子の利益―ハーグ条約から見た今後の家族のあり方―
- 代理出産により産まれた子との親子関係に関する外国判決の承認 ―最高裁平成19年3月23日決定を題材として―
- 「原因において自由な行為」の法理について
- 不法行為法全般について
- 魔女狩り-拷問と自白の歴史
- 製造物責任法についての一考察~学説の動向と実務の対応~
- 隠れた取立委任裏書の法的性質
- まちづくりの法制度における住民参加についての考察
- ブラジルの現代奴隷制における国際法上の課題を解決策
卒論のテーマの決め方について、より詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
なお卒論の書き方自体は、基本的には他学部と大きくは変りません。こちらの記事で、卒論の書き方については細かく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
【あわせて読みたい】卒業論文の書き方をゼロからわかりやすく解説!
最後に-法学部で卒論がある場合は、自習が大切!-
この記事では、法学部生に向けて卒論が無い理由や、卒論がある場合の書き方やテーマの決め方について解説してきました。大学によって有無は異なるので、入学前の方は必ず確認をしましょう。またすでに法学部生の方は、卒業時に卒論があるかないか早めに確認し、早めに確認をしましょう。
法学部の場合、他の学部と異なり卒論を書かない場合が多いため、もし卒論を書く場合には自ら学ぶことがとても大切です。以下の記事では、卒論の書き方について分かりやすく紹介されている記事を紹介しています。自習のために1冊は買って読んで手元に置いておきましょう!
【あわせて読みたい】卒論/卒業論文を書く前に読みたいおすすめ本14選
参考資料
卒論・レポートの書き方ポータルサイト @卒業論文
明治学院大学 法学部 2014年度 白金法学会最優秀卒業論文賞