卒業論文の書き方完全ガイド販売開始!シリーズ1冊目は『卒論を書く前に知っておきたい6つのこと』
レポートや論文を書く際に、「皆さん、孫引きはしないようにしましょう」といわれます。しかし、大学や研究以外でこの言葉を聞く機会はあまり多くありません。以下のような方は多いのではないでしょうか?
- 孫引きって具体的にどういう意味?
- 孫引きがダメっていうけど、どうしても原典が読めない場合は?
- どこからどこまでが孫引きに当たるの?書き方は?
この記事では、こうした疑問に答えることを目的に「孫引き」についてわかりやすく解説していきます。不正をして大きな失敗をしないためにも、しっかりと学んでいきましょう。
・孫引きと同じくNGな行為「剽窃」についても、ぜひ以下の記事で学んでみてください
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孫引きとは?意味・定義を解説
孫引きとは、原典を直接引用せずに、他の論文や書籍で引用された文章をそのまま用いることを意味します。
論文やレポートで引用する文献は、基本的に必ず元の論文を自分の目で確認しなければなりません。引用の中には、引用者が意図的に文章を一部変えてわかりやすくしていたり、引用時に間違えているケースがあります。その場合、孫引きをするとそのまま自分も間違えた情報を載せてしまうことになるんです。
文章に限らず、文献や図表も原典にあたらず引用した場合には孫引きとなります。
なお孫引きが後日発覚した場合には、論文と書いた人の信頼性は大きく低下し、責任問題に発展することもあります。現に、以下の記事で実例を示していますが孫引きで社会的信用を落としたり職を解かれた研究者は過去にいます。気を付けましょう。
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孫引きはばれる?
これは私の経験ですが、学部生の場合は孫引きをしていると、教授や大学院生はなんとなくわかります。多くの場合、孫引きした部分は自分で読めなかった論文や本が多いので、「この学生がこの論文にアクセスできたの?」「こんな貴重な本、どうやって読んだんだろう?」と経験的に、疑問に思います。
多いのは英語の日本語訳などの孫引きです。ある言葉を定義したAさんの文章を、Bさんが日本語に訳し、それをあなたが引用したとします。この場合、本来はAさんの言葉をあなたが自分で日本語に訳し定義することが望ましいです。
しかしそれが難しい場合には、Bさんの定義を引用することになるでしょう。この場合、BさんはAさんの定義を参照したうえで訳しているので、Aさんの論文もBさんの論文を両方引用元として明示することが望ましいです。もしどちらかしか引用で書いていない場合には、読んだ人は「ん?」と思うかもしれません。
どこからどこまでが孫引きにあたるのか
基本的に、原典を自ら確認することなく引用した場合には、それらは全て孫引きとなります。それが数文字であったとしても、長文であったとしてもです。ただし、どうしても原典にアクセスできない場合には、正しい手続きを含むことによって信頼性を落とすことは防げます。以下では、その方法を解説します。
間接引用との違いは?孫引きがやむを得ない場合はどうする?書き方を解説
引用する場合には、原則として引用元の明示が求められることはここまで解説してきました。しかし、例えば原典が絶版や入手困難、入手不能でやむを得ずに孫引きをしなければならないこともあるかもしれません。
その場合には、資料の二次使用(間接引用)の手続きを正しく踏むことによって信頼性を落とすことは防げます。
具体的には、信頼できる二次文献があった場合、引用した箇所の直後に一次資料の出所を明示しそこに注の表記をします。そして、注に二次文献を明記、もしくは一次資料へのアクセスが難しく二次文献から引用した旨を明記するのが望ましい方法です。
つまり、ポイントをまとめると以下のようになります。いざというときのために覚えておきましょう。
- 孫引き=二次文献を明示しない引用
- 間接引用:二次文献も明示したうえでの引用
- 間接引用の方法:一次文献と二次文献の両方の出所を明示する
最後に-原則、二次文献からの引用はNG!原典にあたりましょう-
今回は、孫引きについて詳しく解説してきました。原則、二次文献からの直接の引用はNGです。自分の目で原典を確かめて引用するようにしましょう。また、どうしても間接引用しないといけない場合には、しっかりと手続きを踏んでそのことを明示するようにしましょう。
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参考資料
・レファレンス協同データベース
・EBPT用語集