大学学部や大学院進学前、希望する研究室を訪問し教授と話す機会を「研究室訪問」といいます。
研究室訪問をすることで、あなたと教授との相性を確認できたり、受験や大学・大学院生活で不安なことを相談できたりします。研究室訪問は、とても貴重な機会なのです。
しかし、中にはそんな貴重な研究室訪問を棒に振ってしまう人もいます。研究室訪問では最低限のマナーやしっかりとした準備が重要です。事前の準備で研究室訪問の質は180度変わるでしょう。
ということで、今回は現役の博士後期課程所属の大学院生が、研究室訪問に関するさまざまな不安や疑問にお答えしていきます。服装は?時期は?質問は?など気になるであろうポイントを網羅的に解説しているので、ぜひ読んで参考にしてみてください。
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研究室訪問とは
研究室訪問とは、大学院や大学進学後に入る研究室の享受や諸先輩と訪問し、事前に大学や研究室を見学することです。
大学院は教授と研究室との相性が何よりも大切です。もしあなたが研究したい内容の研究ができたとしても、教授と性格的に合わなければツラい大学院生活になるでしょう。
研究室訪問は、ミスマッチングを防ぐ方法として最も重要なものです。メールやWeb上の情報だけではわからないことがたくさんあるので、可能ならばできる限り研究室訪問はした方がいいと思います。
研究室訪問の時期
大学院修士課程の入試を控えた人は、一般的に3年生~4年生の夏前までに研究室訪問する人が多い印象です。夏以降になると大学院入試が始まり、研究室訪問などに対応できない可能性があるためです。
ただ大学院生を対象にした調査の中では、学部1年生や2年生の時点で大学院進学を考えていた人は、1年生2年生で訪問しているケースもあるようなので、一概にいつ行くべきとはいえません。ただ早め早めに行動することは大切です。
研究室訪問の服装
研究室訪問時には、社会人としての最低限のマナーと同程度のマナーが求められると考えてください。
服装は、無難なのはスーツかカジュアルフォーマルのような服装です。極端に派手なものやチャラく見えてしまうようなものは避けたほうがいいと思います。
研究室訪問で失敗しないためのポイント
研究室訪問は、準備をしないで臨むと逆に悪い印象を教授に与えてしまったり、無駄な時間を過ごすことになってしまいます。
以下のようなポイントを押さえ事前に準備することでよりよい研究室訪問ができるので、必ず準備して望みましょう。
- 事前に大学や研究室のWebサイトを読んでいく
- 何を聞きたいのかを明確にする
- 社会人としての最低限のマナーは意識する
- 教授のプロフィールを読んでいく
- 教授の論文や本もいくつか読んでいく
- 大学院・大学がどういうものか基本情報を把握する(ぜひ、以下の記事を読んでみてください!)
研究室訪問が怖い!という方へ
はじめての研究室訪問、人によっては進学先の大学院を変えたり、担当教員を変えたりする人も多いと思います。初めての大学、初めての教授、研究室訪問には怖いこともあるかもしれません。
しかし大丈夫です、安心してください。基本的に、大学関係者や教授は、あなたの入学を望んでいます。1人でも多くの学生が来てくれたほうが嬉しいですし、研究室訪問に来てくれる時点で熱意を感じてくれるはずです。
先ほど触れたように、大切なのはその熱意や思いをしっかりと準備して伝えることです。残念ながら、研究室訪問の日はあまり時間は多くないでしょう。経験的には、1時間程度が多いかなと思います。大切なのは「準備」です。
研究室訪問に手土産は必要?
研究室訪問に手土産は必要ありません。もしも「あの研究室は、手土産が無いといけないらしいよ」と聞いたら、それはあまり良くない研究室かもしれません。
ただ、それでも遠方から研究室を訪問する場合には、手土産を持っていったら喜んでもらえるかもしれません。それで受験に有利になることはないと思いますが、もしあなたが見返りが無くても持っていきたいのであれば、持っていって損はないと思います。
研究室訪問の依頼メールの書き方
研究室訪問のためには、依頼メールを出して承諾を得る必要があります。しかし、以下のような不安をかかえている人は多いのではないでしょうか。
「どんなメールを送ればいいのか分からない」
「メールのタイトルを、どうすればいいのかわからない」
「送ったメールを、ちゃんと読んでもらえるか心配」
現在、博士課程で研究をしている私も、他大学に進学したので研究室訪問のメールはとても緊張した覚えがあります。以下の記事では、研究室訪問の依頼メールの書き方を例文付きで紹介しています。控えている方は、ぜひ読んでみてください。
研究室訪問のお礼メールの書き方
研究室訪問は、メールで連絡を取り研究室訪問を終えて終了!ではありません。
研究室訪問の際、教授や研究室の先輩は貴重な時間をつかってあなたの相談に乗る時間をつくってくれています。
研究室訪問後は、必ず「お礼のメール」を送るようにしましょう。メールを送ることで、以降もつながりが絶えずに相談したり質問したりできるかもしれません。
以下の記事では、研究室訪問後のお礼メールの書き方を詳しく解説しています。ぜひ読んでみてください。
研究室訪問で聞くべき質問
日時も決まり、無事に研究室訪問!と、その前に準備しておくべきことがあります。
それが「研究室訪問での教授へ質問」です。
研究室訪問での質問は、研究室訪問で最も重要な時間です。
教授は、あなたがどんな質問を持ってきたのかに注目しています。そしてあなたも、大学院入学前&受験前に教授からいかに有用な情報を入手できるかで人生が決まります。
「研究室訪問でどんな質問したらいいかわからない!」
「質問したいことが多すぎて、1時間に収まらない!」
そんな皆さんに向けて、以下の記事では現役の国立大学博士後期課程所属の大学院生が「研究室訪問で聞くべき質問10選」を解説しています。ぜひチェックしてみてください!
研究室訪問で聞かれること
研究室訪問では、こちらからの質問タイムのほかに、教授からあなたへの質問時間もあります。ここでの受け答えはその後の印象や関係性にも大きな影響を与えるでしょう。
想定質問にしっかりと答えられるような準備をしておくことは、研究室訪問に臨むにあたりとても大切です。以下の記事では、具体的な質問とあわせて解説しているので、よければチェックしてみてください。
最後に-研究室訪問は、準備が良い結果をもたらす-
以上、本記事では研究室訪問の概要について分かりやすく網羅的に解説してきました。記事中で何度も触れたように、研究室訪問で大切なのは「準備」です。
以下の記事では、大学院生や大学院進学希望者が事前に読んでおきたい本を紹介しています。大学院の仕組みや制度、現状を的確に知っておくことは研究室訪問の準備となりますので、ぜひあわせて読んでみてください!