「卒業論文」と「レポート」の違いとは?5つの違いをわかりやすく解説

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大学生活ではさまざまな授業で「レポート」の提出を求められます。3年間いろんなレポートを書いて、4年生になり「さぁ、卒業論文を書こう!」となったときに、ふと思うのがこの疑問です。

「卒業論文とレポートって何が違うんだろう?」

すでに卒業論文を書き始めている方の中にも教授から「卒業論文とレポートは違うぞ!」と言われたことがある人がいるかもしれません。では一体、具体的に卒業論文とレポートではどう違うのでしょうか?この記事ではこの違いをわかりやすく解説していきます。

「そもそも論文ってなんだろう?」という方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

論文とは?現役大学院生が書き方・読み方・注意点をわかりやすく解説

「そもそもレポートもなんだろう?」という方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

レポートの書き方 完全ガイド-形式や構成、大学生が押さえるべきポイントを徹底解説-

この記事の内容はYouTubeでも解説しています。通学のBGMにぜひ見て聴いてみてください。

知らないと後悔する!「卒業論文」と「レポート」の5つの違い

卒業論文とレポートの違い① 誰がテーマを決めるか

卒業論文とレポートの最大の違いは「他者(教授など)がテーマを決めるか、それとも自分でテーマを決めるか」です。授業で書くレポートはほとんどの場合、「○○について3000文字程度であなたの考えを書きなさい」というように、テーマが他者から指定されます。

つまりレポートは与えられたテーマに対して参考文献を調査したり自身の内容を述べたりすれば合格となります。

対して卒業論文はテーマを「自分で」決めます。先行研究や自身の興味関心をもとに自分でテーマ(問い)を設定し、そのテーマ(問い)に解を与えるような実験や調査を行いそれを文章にまとめます。

このことからわかるのは、卒業論文を書くということは自らテーマを設定し能動的に取り組む「主体性」が必要ということです。卒業論文のテーマは、待っていても降ってきません。テーマ設定は卒業論文を書く上での命ともいえるので、早いうちから主体的によりよいテーマを考えましょう!

卒業論文のテーマの決め方についてはこちらの記事で詳細を解説しています!

卒論テーマの決め方-文系学生が押さえるべき5つのポイント-

卒業論文とレポートの違い② オリジナリティの有無

2つ目の卒業論文とレポートの違いは「内容にオリジナリティがあるか」です。レポートは、内容にオリジナリティがなくても参考文献をしっかり読み内容を取捨選択し自分の考えを書けば合格です。

対して卒業論文は、ただ内容をまとめたりありきたりな意見を書くだけではダメです。①のテーマ設定とも関係しますが、卒業論文は自分で決めたテーマに対し研究や調査を行い、従来の研究とは異なるオリジナリティのある結論を書く必要があります。

「大学で4年間しか生活していない自分にオリジナリティがる研究なんてできるかな…」そう思う方もいるかもしれませんが、オリジナリティとは必ずしも0から全く新しいものを生み出すことではありません。先輩たちと似たテーマでもいいですし、古典的なテーマでも大丈夫です。大切なのは巨人の方の上に乗り、論理的に独創性のある主張をすることです。

論文を書く際には認識利得の高いテーマを選びましょうとよく言われます。これは従来言われている言説に対して、「え!そんなこともあるの!?」とより多くの人が思うようなテーマを選びましょうという意味です。オリジナリティのある研究が思いつかないという方は、ぜひこの認識利得が高いテーマを選ぶことを意識してみてはいかがでしょうか。

卒業論文とレポートの違い③ 卒業論文にはたくさんの読者がいる

3つ目の卒業論文とレポートの違いは「読者の数」です。通常の授業レポートは、多くの場合は教授が読むだけで、多くてもその授業を受講している他の学生が読む程度です。

しかし卒業論文はオンラインでその内容を公開している学校もあります。また製本して大学の図書館に並ぶこともあります。並んだ卒業論文は学内の人でも学外の人でも誰でも読むことが可能な場合が多いです。

つまり卒業論文は、その分野に関心ある人が将来的に読む可能性がある文章なのです。これはほぼ本と同じで、「読者を想定した文章」が求められるということです。

将来的に後輩や研究者が自分が書いたものを読む可能性があると思うと、ちょっとワクワクしてきて「頑張って書こう!」と思いませんか?

卒業論文とレポートの違い④ 研究の成果か否か

4つ目の卒業論文とレポートの違いは「研究の成果が入っているか」です。授業のレポートでは研究や調査は必ずしも必要ではありません。自分で考えて書けばOKの場合もあります。

しかし卒業論文では「考えただけ」のものはNGです。そこでは先行研究の整理分析、実験、質的調査や量的調査などの「研究過程」が必ず必要です。

どれだけ優れた考えであっても、その論拠となる研究過程がなければそれは卒業論文ではありません。研究計画を書く際は、つねに「どうやって研究するか」を考えながら進めていきましょう。

卒業論文とレポートの違い⑤ 使える時間と紙の枚数が多い

最後の卒業論文とレポートの違いは「使える時間が多く、使える枚数も多い」ということです。「そんなの当たり前じゃん!」と思うかもしれませんが、これは大きな違いです。

多くの大学では学部3年生の後半、もしくは4年生の最初から卒業までの時間が卒業論文執筆の時間となります。この間に、研究計画書を書き、実験や調査を行い、文章を執筆し提出し発表します。

社会人になってから1年近く時間をかけてひとつのものを書くことはほぼありません。1年以上かけてひとつの論文を書くという経験はツラいものかもしれませんが、人生においてかけがえのない経験になるでしょう。

ただし「1年もある」と思ってはいけません。これまで書いたことのない長さの文章に挑戦するわけなので、計画的にコツコツと進めていくことが大切です。

このことは枚数にも言えます。卒業論文は下限が設定されていても上限が設定されていることはありません。つまり「自分が書きたいことを書きたいだけ書ける」のです。こんな経験も社会人になったらなかなかすることはないでしょう。下限を満たすのに苦労するかもしれませんが、裏を返せば研究や調査の成果を目一杯伝えることができるのです。

最後に-レポートの積み重ねの先に卒業論文を書く力が身につく-

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この記事では卒業論文とレポートの違いを5つ取り上げました。その他にも違いはありますか、優れた卒業論文はレポートを各スキルの積み重ねがあってこそ書けるものです。

もしいま記事を読んでいる人でまだ学部1年生~3年生の人がいたら、まずは目の前のレポート課題に真摯に取り組み文章を書くスキルと志向のスキルを身につけていきましょう。その積み重ねが優れた卒業論文に必ずつながります。

より詳しく卒業論文とレポートの違いについて知りたい方には、こちらの本がおすすめです。

この他のおすすめの本についてはこちらの記事で紹介しています!

卒業論文を書く前に読みたいおすすめ本14選-文系理系別有/書き方やコツがわかる!-

※レポートが苦手な人・初めて書く人は、以下の記事もあわせて読んでみてください。

【2021年最新版】レポートが苦手な人・初めて書く人におすすめの本まとめ

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参考資料
早稲田大学政治経済学術院 須賀晃一研究室 Webサイト
明治大学 Webサイト 「卒業論文の書き方」
・戸田山和久, 2012,『新版 論文の教室 レポートから卒論まで』NHK BOOKS.

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この記事を書いた人

管理人

某国立大学大学院博士後期課程所属. 社会科学分野での地域研究が専門. 卒業論文では地域とメディアについて取り上げ、修士論文では地方自治体で暮らす人々の人間関係を取りあげました。大学院で研究して論文を書いたり、各種媒体に寄稿したりしています。