卒業論文の書き方完全ガイド販売開始!シリーズ1冊目は『卒論を書く前に知っておきたい6つのこと』
卒業論文やレポートを書く際に「参考文献」や「先行研究」を参照しましょうとよくいわれます。これは科学とは数多くある研究の蓄積の上に今日の研究が成り立つからであり、巨人の肩の上に乗るという諺でも表されます。
ここで困るのが「一体、どうすれば自分が求めている参考文献や先行研究を見つけられるのか」です。書籍であれば図書館や大きな書店などで頑張って探せば見つけられますが、論文となるとそうはいきません。
この記事では、現役の社会科学系大学院博士課程所属の筆者が、参考文献や先行研究を探すためにおすすめの7つの方法を紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
・この記事の内容はYouTubeでも解説しています。動画で学びたい方はこちらをご覧ください!
先行研究の探し方7選-Google Scholar, CiNii, J-STAGE, OPACなど、あなたは知っていますか?-
・より深く先行研究の探し方について知りたい方は、こちらの記事をあわせてご覧ください。
・参考文献の書き方で迷っている方は、こちらの記事もあわせてご覧ください
卒論 参考文献の書き方をわかりやすく解説!文字数・書き忘れない方法など
・そもそも卒論の書き方が0からわからない!という方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
参考文献/先行研究の探し方① 本や論文の参考文献ページから芋づる式で探す
オンラインを活用せずに参考文献や先行研究を探す方法として、本や論文の参考文献ページから芋づる式で探す方法があります。この方法を用いることで、自分が知らなかった著者や論文を的確にみつけることができます。
この方法は、②以降で紹介するオンラインでの探し方の基礎になります。芋づる式で探した資料のタイトルやその他情報を検索サービスに入力して探すという流れが最も一般的なので、まずは本や論文の参考文献情報をチェックしてみましょう!
参考文献/先行研究の探し方② Google Scholarで探す
Google Scholarは、学術専門誌、論文、書籍、要約など、さまざまな分野の学術資料を検索できるサービスです。CiNiiやJ-STAGEなど論文が掲載されたサイトの情報を横断的に検索できるのが特徴です。Googleが提供しているサービスなので、使いやすさもポイント。
Google Scholarの注意点として、実は大学が契約している文献データベースで入手できる論文などの情報が、Google Scholarでは検索対象になっていないために、見落としたり、入手できないと思ってあきらめている可能性があります。その際にはタイトルやその他情報をもとに別の方法で検索をしてみましょう。
参考文献/先行研究の探し方③ CiNiiで探す
CiNiiとは、学協会誌・大学研究紀要・国立国会図書館の雑誌記事索引データベースなど、学術論文情報を検索の対象とする論文データベース・サービスです。日本語の雑誌論文を幅広く探すことができます。
CiNiiの良い点として、全文が読める論文があること、引用文献情報が載っていること、アクセス数制限が無いこと、誰でもアクセスが可能なことがあげられます。また検索結果画面で関連著者情報が見られるのも魅力的です。よく名前をみる研究者がいたらクリックしてみましょう。自分が知らなかった資料が見つかるかもしれません。
検索条件も詳細に指定することができるので、例えば本や論文の参考文献に載っている論文のタイトル、掲載紙情報、掲載年などを指定すれば一発で目的のものが出てくるはずです。
参考文献/先行研究の探し方④ J-STAGEで探す
J-STAGEとは、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が運営する電子ジャーナルプラットフォームです。日本から発表される科学技術(人文科学・社会科学を含む)情報の流通と国際情報発信力の強化、オープンアクセスの推進を目指して、学協会や研究機関等における科学技術刊行物を公開しています。
J-STAGEには無料アカウントサービス「My J-STAGE」があり、これに登録するとよく使う検索条件を保存したり、お気に入りの資料について最新号発行の通知を受け取ったりすることができます。
一方で、J-STAGEでは日本から発行されるものしか検索できないのでその点は注意が必要です。
参考文献/先行研究の探し方⑤ OPACで探す
OPAC(オーパック)とは、蔵書検索システム(Online Public Access Catalog)の略称です。図書や雑誌のタイトル、著者名、出版社、出版年ねどの情報を登録し、検索できるようにしたものです。図書館に置いてあるパソコンから使うことができます。
OPACを使うと、図書館にどんな資料があるのか、館内のどの場所にあるのか、いま借りられるのか、何冊あるのかななどの情報がわかります。図書や雑誌、視聴覚資料も検索できます。また大学によっては図書館だけでなく、Webサイトにアクセスすることでオンラインで検索できるケースもあります。
OPACを使うことで、自分の大学の図書館に目的の文献があるかどうかがわかります。もしある場合はその場で借りることができますし、無い場合には他大学図書館から取り寄せたり、図書購入希望を出すことで手に入れられたりします。せっかくの大学図書館の仕組みなので有効活用しましょう!
参考文献/先行研究の探し方⑥ 国立国会図書館のオンラインサービスを使う
国立国会図書館は、オンライン上で本や論文があるかどうか検索できるサービスをいくつか提供しています。国立国会図書館にないものは無いと言っても過言ではないので、有効活用しましょう。ここでは2つのサービスを紹介します。
国立国会図書館リサーチナビ
国立国会図書館リサーチナビでは、国立国会図書館職員が調べものに有用であると判断した図書館資料、ウェブサイト、各種データベース、関係機関情報を、特定のテーマや資料群別に紹介しています。
国立国会図書館デジタルコレクション
国立国会図書館デジタルコレクションは、国立国会図書館で収集・保存しているデジタル資料を検索・閲覧できるサービスです。
こちらの特徴は、博士論文も収録されていること!1991~2000年度に国立国会図書館へ納本された博士論文と、2013年度以降に学位授与され、国立国会図書館が電子形態で収集した博士論文が検索できます。
まとめ-自分の知らない文献や先行研究を知るのに意外と早いのは先輩や先生に聞くこと!-
本記事では参考文献や先行研究を探すための6つの方法を紹介してきました。これらを組み合わせて活用することで、目的の図書や論文を探すことができます。
7つ目の方法として意外と盲点なのが「先輩や先生に聞く」という方法です。一人で悩まずに相談してみることで、気が付かかなった角度から良書や参考になる論文を紹介してもらえるかもしれません。
使える方法は全部使って、参考になる文研や研究を入手してよりより論文を書きましょう!
卒業論文の書き方完全ガイド販売開始!シリーズ1冊目は『卒論を書く前に知っておきたい6つのこと』
参考資料
・徳島大学附属図書館HP, 2016,「レポート・卒論に役立つ資料の探し方」
・東京大学, 「Google Scholar活用法」講習会テキスト