卒業論文の先行研究が見つからないときに試したい5つの方法

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卒業論文の書き方完全ガイド販売開始!シリーズ1冊目は『卒論を書く前に知っておきたい6つのこと』

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卒業論文を書くときに大切なのが「先行研究」です。

先行研究をどれだけ読み込んだか、先行研究をどれだけ批判的に捉えられたか、先行研究をどれだけ正しく理解できたかが卒業論文の質を左右します。

卒論を書く上で大切な先行研究ですが、そんな先行研究を巡りこんな質問を学部生から受けることが良くあります。

「先輩(筆者は博士課程所属の若手研究者)は、どうしてそんなに的確に先行研究を見つけられるんですか?先行研究をうまく見つけることができません…」と。

確かに、後輩の研究計画を聞いてCiNiiやJ-stageで論文を検索して「これ読んだ?」と聞くと、読んでないですという答えが返って来ることがよくあります。

卒業論文の書き方や先行研究の調べ方の概要は教わっても、「先行研究を探す時のコツ」はなかなか習う機会がありません。そこで今回は、先行研究が見つからない人に向けて、先行研究を的確に探すためのコツを解説していきます。

先行研究の探し方については、本で解説しているものも多数あるので、ぜひこちらの記事も読んでみてください。

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先行研究が見つからないときの方法1|検索キーワードをずらす

一つ目の方法は「検索キーワードをずらす」です。世の中には多くの論文検索サービスがあります。論文検索サービスについては、以下の記事を参考にしてください。

卒業論文の先行研究・参考文献の探し方-現役大学院生がおすすめする7つの方法-

論文検索サービスで探すときにやりがちなミスとして、論文タイトル研究テーマに含まれるキーワードだけで検索してしまうということがあります。しかし、世の中には関連するキーワードが多数あるので、それらもあわせて調べてみる必要があります。

例えば論文テーマに「環境保護」というキーワードが入っている場合は、「環境保全」「自然保護」「景観保全」「景観保護」などの類似キーワードでも検索したほうが良いでしょう。このように関連するキーワードで横展開していくことで、見つからなかった論文が見つかったりします。

先行研究が見つからないときの方法2|年代を変えて検索する

二つ目の方法は、「年代を変えて検索する」です。研究においては、新しい論文ほど優れているということはありません。しかし、中には新しい論文だけを読んで数十年前の古い論文を読まない人がいます。

また論文検索サービスの設定上、新しいもののほうが上に表示されやすい場合もあります。そこで意図的に年代の古い論文を検索するために、検索範囲を指定して「1970年代」「1980年代」という風にして検索してみましょう。すると、古い論文の中に求めていたものが見つかることもあります。

先行研究が見つからないときの方法3|Google検索で探す

三つ目の方法は、「Google検索で探す」です。論文検索サービスだけで論文を探している人がたまにいますが、案外侮れないのが普通のGoogle検索です。

Google検索の場合、あなたの興味関心に検索結果が最適化されます。そのため、あなたの求めているような論文や資料がひょこっと顔を出すことがあるのです。

またGoogle検索の場合は、論文以外も検索対象に含まれるので書籍や企業レポート、議会議事録などの中から研究に使えそうなものが見つかることもあります。

先行研究が見つからないときの方法4|先行研究の先行研究から探す

四つ目の方法は、「先行研究の先行研究から探す」です。これは、いわゆる論文や書籍の最後についている参考資料・参考文献・引用文献と書いてある部分に載っている論文を読むということです。

もし、あなたが「これは使える!」と思う論文を発見したら、その論文の先行研究は隈なくチェックするようにしましょう。先行研究の先行研究は、あなたの卒論の先行研究でもあるのです。

卒論 参考文献の書き方をわかりやすく解説!文字数・書き忘れない方法など

最後に-先行研究を探すうえで、最も大切なのは○○○に読むこと-

本記事では、先行研究の的確な探し方について解説してきました。キーワードを変えたり、年代を変えたりといったコツを紹介してきましたが、やはり最も重要なのは「網羅的に関係ありそうな論文をすべて読むこと」です。

先行研究が無いと嘆いている学生は、その多くがこの網羅的に先行研究を読むことをやっていない傾向にあると感じます。

例えば「環境保護と政策の関係性」について論文を書くとしたら、CiNiiやJ-STAGE、Google Scholarなどで「環境保護 政策」と調べて、出てきた論文はすべて読むようにしましょう。

100本200本出てきたとしても、1日3本読めば30日~60日で読めるので、4年の4月から始めれば6月には終わります。なぜ網羅的に読むことが重要かというと、人はついつい読みやすそうな論文や、興味関心あるものだけを読んでしまう傾向にあるからです。

しかし本当に必要な先行研究は、興味関心あるタイトルではないかもしれませんし、長文で消して読みやすくはないかもしれません。こうした論文に出会うためには、網羅的に読むのが一番早いのです。

だからこそ、卒論執筆はペース配分や時間の使い方がとても大切です。最初の2カ月で200本の論文を読めるか、それとも秋になって焦って200本を読むのかでは時間的にも精神的にも余裕が全然違ってきます。ぜひ早め早めに先行研究を探してコツコツを読んでいきましょう!

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この記事を書いた人

管理人

某国立大学大学院博士後期課程所属. 社会科学分野での地域研究が専門. 卒業論文では地域とメディアについて取り上げ、修士論文では地方自治体で暮らす人々の人間関係を取りあげました。大学院で研究して論文を書いたり、各種媒体に寄稿したりしています。