卒論の執筆を進める中で悩ましいのが章立てです。章立てとはいわゆる目次とほぼ同じ意味ですが、主に本文の章・節・項などについて表すことが多いように思います。
本記事では卒論の骨格ともいえる章立ての書き方を、言葉の使い方から気を付けるべきこと・書き進められないときの対処法など含めわかりやすく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
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卒論の章・節・項とは?
卒論の見出しは大きく章・節・項にわかれます。
章とは最も大きな見出しのことで序章・終章・第1章のような書き方をします。数字のみの場合は1など、一つのみで表します。
節は章の下に付くもので、第1節、第2節のような書き方をします。数字のみの場合は1-1, 2-1のように表すことが多いです。
項は節の下に付くもので、第1項のような書き方はあまりしませんが詳細に文章を分けて書いていく際に使う表現です。数字のみの場合は1-1-1, 2-1-2など3つの数字で表すことが多いです。
卒論では以上の章・節・項を適宜内容に合わせて見出しとして用いていきます。
卒論の章立てで気を付けるべきこと
章立ての際に気を付けるべきことの1つ目は、おおざっぱすぎず細かすぎず表記することです。数十ページある卒論で章のみだと見出しが少なすぎて読者は「読みにくい」と感じるでしょう。
一方であまり文字数が多くない卒論で章・節・項がたくさんあると「見出しが多すぎて読みにくい」と感じるでしょう。
最適解は存在しませんが、基本は章と節は見出し・小見出しとして積極的に活用し、項は場合に応じて使う使わないを決めるくらいがいいのではと思います。
章立ての際に気を付けるべきことの2つ目は、初めに決めた章立てにこだわらないことです。はじめに立てた章立てに沿って卒論を書いていくと、必ず途中で合わないと感じる瞬間が来ます。書いていくうちに適した見出しが見つかるものなので、これはいけないことではありません。
よくないのははじめの章立てにこだわり過ぎてしまうことです。章立ては定期的に、柔軟に変えていくようにしましょう。何度も何度も修正を重ねるなかで提出時に到達している章立てが完成版というイメージです。
章立ての際に気を付けるべきことの3つ目は、見出しの文章だけを読んで内容がわかる見出しにせよです。これは私が大学院時代に恩師に教えられたことですが、卒論や論文の読者はまずはじめに目次を読みます。
目次を読んで、目次だけで全ての内容がわかる見出しを付けることが読者思いの文章です。例えば「第1節 ○○について」と「第1節 △△実験により明らかになった○○の特徴について」では、どちらのほうが読者思いの見出しでしょうか?
見出しはシンプルであればあるほど良いわけではなく、見出しだけを読んで読者が「ここでは、こういうことを書こうとしているんだな」と分かる見出しにすることが重要です。
卒論の章立てができないときにやるべきこと
レポートではあまり書くことが無い章立てなので、卒論の章立ては結構苦戦する人が多いです。そこで以下では卒論の章立てができないときにやるべきことをご紹介します。
まず章立ての中でも序章と終章は最後に書くようにしましょう。「序章は最初に書いたほうがいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実は序章は論文全体を要約した内容であることが多く、また目的や研究の背景などを書く必要があるため最も書くのが難しい場所です。
また終章も、一通り書いたうえで書かないと整合性が取れずうまくまとまりません。章立てと並行して序章や終章も書こうとする人がいますが、序章と終章は最後に書くことをおすすめします。
続いて章立てが思い浮かばず書き進められない人は、書けそうな章の本文を書きながら章立てを考えていきましょう。例えば序章や終章は書けないけど、一度学会で発表したことがある研究結果はスンナリ書けるかもしれません。その場合は書けそうな章からどんどん書き進めて章立てもその中で決めていきましょう。
章立てが良いのか悪いのかわからなくなった人は、先生や友達に確認してもらいましょう。章立てを書いているときは気が付きませんが、他の人に見てもらうと重要な前提の説明が抜けていたり、もっとわかりやすい章立てにできることはあります。困った時ほど他人を頼りましょう。
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最後に-卒論の章立ての例をご紹介-
本記事では卒論の章立てについて解説してきました。最後に、章立ての例をご紹介します。詳細な文章に関しては著作権保護のため抜いてありますが、以下は私が知人に許可をもらいお借りした卒論の章立てです。ぜひ参考にしてみてください。
リーダーがずれている部分がありますが、これは見出しの文字数によるズレです。この章立ての良いところとして、各章の最後に「小結」があることが挙げられます。小結は各章の内容をまとめ、次章への接続をスムーズにするためのものです。読みやすくなるのでおすすめです。
序論 ・・・・・・・・・・4
序章 ・・・・・・・・・・4
0.1 問題の背景 ・・・・・・・・・・ 5
0.2 問題意識とリサーチクエスチョン ・・・・・・・・・・ 6
0.3 調査対象地について ・・・・・・・・・・ 7
0.4 研究方法 ・・・・・・・・・・ 8
0.5 研究の意義 ・・・・・・・・・・ 8
0.6 研究の構成 ・・・・・・・・・・ 8
第1章 先行研究の整理 ・・・・・・・・・・ 10
1.1 ○○に関する先行研究 ・・・・・・・・・・ 12
1.2 ○○に関する先行研究 ・・・・・・・・・・ 15
1.2.1 △△に関する先行研究 ・・・・・・・・・・ 16
1.2.2 △△に関する先行研究 ・・・・・・・・・・ 19
1-3 小結 ・・・・・・・・・・ 21
第2章 被調査地と被調査者 ・・・・・・・・・・ 22
2.1 被調査地について ・・・・・・・・・・ 28
2.2 被調査者について ・・・・・・・・・・ 42
2.3 小結 ・・・・・・・・・・ 46
第3章 ○○○ ・・・・・・・・・・ 47
3.1 ○○ ・・・・・・・・・・ 60
3.2 ○○ ・・・・・・・・・・ 80
3.3 小結 ・・・・・・・・・・ 101
第4章 ○○ ・・・・・・・・・・ 105
4.1 ○○ ・・・・・・・・・・ 105
4.1.1 △△ ・・・・・・・・・・ 115
4.1.2 △ ・・・・・・・・・・ 120
4.2 ○○ ・・・・・・・・・・ 131
4.3 小結 ・・・・・・・・・・ 134
終章 結論と展望 ・・・・・・・・・・ 136
5-1. 結論 ・・・・・・・・・・ 136
5.2 本稿の学問的意義 ・・・・・・・・・・ 137
5.3 残された課題 ・・・・・・・・・・ 138
謝辞 ・・・・・・・・・・・・・・・・139
参考文献 … ・・・・・・・・・・ 139