現役大学院生が卒論の「おわりに(終章/まとめ)」の書き方をわかりやすく解説

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卒論の書き方徹底解説!

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卒業論文の執筆に勤しんでいる皆さんが、最後に「難しい!」「どうすればいいの!?」と感じるのがおわりに(終章/まとめ)の書き方です。

本論は、先行研究をまとめて調査結果を書き考察をすれば一応OKです。しかしまとめは、何をどの程度書けばよいのか始めての論文執筆だとわからないことがたくさんです。

そこで今回は、卒論のおわりに(終章/まとめ)の書き方を現役の博士課程大学院生がわかりやすく解説していきます。おわりにで押さえておくべきポイントは以下の4点です。

  • 論文の目的と結果をわかりやすくまとめる
  • 研究の意義を読者に伝える
  • 研究で残された課題を読者に伝える
  • 長く書き過ぎない

※卒論全体の構成や書き方、注意点を知りたい方はこちらの記事をご覧ください↓

卒業論文の書き方をわかりやすく解説-大学院博士課程学生が疑問に答えます-

※卒論執筆の参考になる本をこちらの記事で紹介しています。Webの情報だけでは心もとないかたはチェックしてみてください↓

卒論/卒業論文を書く前に読みたいおすすめ本15選-文系理系別有/書き方やコツがわかる-

卒論が進まなくてヤバい!という方におすすめの記事はこちら「「卒論がやばい!」あなたへ-現役大学院生からの7つのアドバイス

卒論のおわりに(終章/まとめ)の意図と目的

卒論における「おわりに」の意図と目的、論文全体での役割を理解することで、よりよい構成で書くことができます。「おわりに」の意図は長文で書いてきた論文の重要な部分をまとめることです。「おわりに」の役割は読者が読むことで、この論文はこういうことを言いたかったのか!と理解できることです。

よって「おわりに」を書く目的は、読者が論文の内容をわかりやすく把握できるようにすることだといえます。さらにもう一つの目的は論文の社会的意義や先行研究に対してアップデートしたこと、研究の課題を端的に伝えることでもあります。まとめると、「おわりに」では以下の4点を書く必要があるといえます。

  1. 論文のまとめ(目的・結果)
  2. 研究が先行研究や研究分野に貢献する点
  3. 研究の社会的意義
  4. 残された課題
  5. (謝辞)

また人によっては、「おわりに」の最後かあとに研究協力者への謝辞を書くケースもあります。

【あわせて読みたい】謝辞とは?卒論の「謝辞」の書き方をわかりやすく解説

卒論のおわりに(終章/まとめ)の書き方と構成-文系と理系で大きな違いはない-

「おわりに」の4つのポイントの詳細な書き方を確認していきましょう。

はじめに、論文のまとめとして改めて研究目的と研究手法、研究結果と考察を簡潔にまとめます。これが「おわりに」全体の半分程度を占めるイメージです。

次に論文で書いた研究が、先行研究を乗り越える部分や研究分野全体に与える影響を書きます。この点は、「はじめに」の先行研究とその課題で触れた点について書くのがベターです。先行研究については、以下の記事をご覧ください。

【あわせて読みたい】卒論 参考文献の書き方をわかりやすく解説!

「おわりに」では、研究の社会的意義も書きましょう。社会的意義とは、研究成果が社会に実装されることでもたらされる恩恵や、社会課題の解決に寄与する方法などを指します。

最後に必ず書かないといけないのが残された課題です。どんな論文でも、それで全てが完結する完璧なものはなく、必ず発展可能性があります。残された課題については、記事の後半で解説しています。

そして必要な場合には、最後に謝辞を加えましょう。謝辞とは、研究でお世話になった先生や調査協力者へのお礼のことです。

卒論のおわりに(終章/まとめ)の文字数は全体の0.5割~1割程度

卒論の「おわりに」の文字数の目安は、論文全体の0.5割~1割程度です。

例えば論文が2万字程度の場合には、1000字~2000字程度が目安となります。まとめは多すぎても短すぎてもいけません。先行研究や先輩の論文を調べるなどして、分量の目安をあらかじめ掴んでおくことをおすすめします。

【あわせて読みたい】卒業論文の先行研究・参考文献の7つの探し方

卒論のおわりに(終章/まとめ)に書く今後の課題(残された課題)とは?

卒論に限らず、論文では最後に今後の課題/残された課題を書くのが通例です。今後の課題とは、今回の論文では扱えなかったけど、もし扱えたらもっと良い研究になった点や、今後行いたい研究、制約がありできなかった研究への感想/後悔を指します。

たくさん書き過ぎると「全然、この論文研究できていないじゃん!」となるので、本当に書く必要があることだけを書きましょう。目安は2つ~4つ程度です。以下は、残された課題でよく書かれることの例です。

  • この論文では実践できなかった調査方法で研究する必要性
  • この論文では対象から外した調査対象を扱う必要性
  • 時間や方法の制約に対する感想
  • 今後、行いたい発展的研究

卒論のおわりにの例文(テンプレート)をご紹介

卒論の「おわりに」の例文(テンプレート)を公開します。「おわりに」の構成や書き方がイマイチ掴めない人は、ぜひ参考にしてみてください。

おわりに

 本論文の目的は~~~であった。研究方法としては~~~を用いて研究を行い、その結果、以下の3点が明らかになった。第一に~~~。第二に~~~。第三に~~~。以上の調査結果から、~~~だと考えられる。

 これらの結果は先行研究で~~~とされていたことに対して、~~~という新たな知見を付与することができる。

 本研究の社会的意義は~~~である。

 最後に、本研究の残された課題と今後の発展について主に3点書く。一つ目の課題は~~~である。二つ目の課題は~~~である。最後に今後は~~~をさらに行いたい。

最後に-おわりにと同じくらい大切なのが「はじめに」-

レポート 書き方

この記事では、卒論の「おわりに」の書き方を解説してきました。最後に例文を紹介した通り、「おわりに」には定型的なテンプレートが存在します。先輩たちの卒論やオンライン上で公開されている優秀論文等を参考にしてみてください。なお、以下の記事では優秀卒業論文が閲覧・ダウンロードできるのであわせて読んでみてください。

卒業論文の文系 サンプルを公開!-優秀な卒論から書き方やフォーマットを学ぶ・ダウンロード可-

「おわりに」と同じくらい書くのが難しく、卒論で大切なのが「はじめに(序論)」です。以下の記事で書き方をわかりやすく解説しているので、ぜひこちらも読んでみてください。

卒論 はじめにの書き方を徹底解説!-テンプレート/例文あり、気になる文字数や目的も解説-

卒論提出の1週間前にやるべきこと5選

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この記事を書いた人

管理人

某国立大学大学院博士後期課程所属. 社会科学分野での地域研究が専門. 卒業論文では地域とメディアについて取り上げ、修士論文では地方自治体で暮らす人々の人間関係を取りあげました。大学院で研究して論文を書いたり、各種媒体に寄稿したりしています。