「レポート」という言葉、学生時代も社会人になってからも聞きますが、所属や段階によって指す内容が微妙に異なることを知っていますか?
中学のレポート、高校のレポート、大学のレポート、そして会社でのレポートは同じ言葉ですが求められる水準やその形式が異なります。
そこで本記事では「レポートとは何か」という一見すると単純な疑問を、簡単にわかりやすく解説していきます。「高校時代と同じように大学でレポートを書いて提出したら単位を落とした…」「会社のレポートで大学と同じように出したら、なぜか修正だらけ…」といったことがないように、しっかり学んでいきましょう。
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【2024年最新版】レポートが苦手な人・初めて書く人におすすめの本まとめ
レポートとは?-中学のレポートは、楽しみながら課題意識をもって調べる-
「レポート」という言葉がはじめて登場するのは中学校に入ってからではないでしょうか。中学時代に多いレポート課題は、休みの間を使って書くレポートや、読書感想文のような形式のレポートです。
筆者が通っていた中学校では、夏休み期間中に「地域の課題について調べ報告する」というレポート課題がありました。地域の課題を調べるだけでなく、調べた過程で浮かんできた疑問と解決策まで提案することが目的でした。
小学校までの感想文は、あくまで感想だけを書けばOKでした。しかし中学になると「課題意識を持つ」ことが求められます。また自らの視点で内容を「まとめる」能力も求められます。ただ高校大学のように、固い学術的な言葉や先行研究を調べる必要はないでしょう。中学のレポートは、楽しみながら興味関心あることを深掘りするのが目的です。
レポートとは-高校から求められるのは、論理的思考力-
高校のレポートというと、小論文を思い出す人が多いのではないでしょうか。授業内のレポートではありませんが、論理的な思考+自身の考えを限られた文字数の中で表現する小論文は、まさにレポートの一種だといえるでしょう。
中学との違いは「論理的な思考」が求められることです。そこでは最低限の文法知識や漢字能力、順序だてて人を説得できるように書くことが求められます。
レポートとは?-大学におけるレポートとは、論理的で学術的な文章-
立教大学図書館の解説によれば、大学におけるレポートとは「問題を提起し、その問題に対して自分の考えを客観的かつ論理的に説明した学術的な文章」を指します。
提起した問題に取り組むためには、文献調査で先行事例や先行研究を調べたり、フィールドでの調査や実験を行ってデータを集め分析考察をする必要があります。そのためレポートでは、調査で得られた事実と根拠を示し、自分の考えを「形式」に則って書いていきます。自分が妄想/想像したことのみを書くのはNGです。
大学におけるレポートの書き方ややってはいけないことなどを知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
レポートの書き方 完全ガイド-形式や構成、大学生が押さえるべきポイントを徹底解説-
レポートとは?-会社では報告書とレポートが使い分けられることが多い-
会社に入ってから書くレポートは、学生時代のレポートとは大きく異なります。なによりも、レポートが個人の考えを表すだけでなく会社を代表する意見となったり、他人に見せる機会が多くなったりします。そのため、場合によっては、あなたが書いたレポート1枚で会社の未来が決まることもあるのです。
会社に入ると「報告書」と「レポート」を使い分けることもあります。報告書とレポートの違いを列挙すると以下のようになります。ポイントは「視点の置き方」「形式」です。「レポートを提出せよ」と言われているのに報告書を出すなんてことの無いように気を付けましょう。
報告書
- 客観的事実を中心にまとめる
- 私見は事実と明確に分けて、「所感」「所見」などとする
- 箇条書きで端的にまとめるケースが多い
- フォーマットが決まっているものが多い
レポート
客観的な事実に作成者の主観的な視点を加えてまとめる
業務に直接関係のない案件もある
問題提議に対して自分の意見を述べる「論文形式」で書かれることが多い
フォーマットは決まっていない場合が多い
最後に-同じ言葉でも場面によって用法が異なる-
以上、本記事では「レポートとは?」をテーマに、段階別のレポートの意味について解説してきました。一口に「レポート」と言っても、所属や段階によって意味や求められるクオリティが異なることがわかったかと思います。レポートについてより詳細に知りたい方は、以下のような本も出ているのでぜひ買って読んで勉強してみてください。