卒業論文の書き方完全ガイド販売中!『書き方徹底解説編 目次&例文あり』
卒論で意外と書くのが難しいのが「はじめに」です。
「はじめに」は、研究の背景や目的、研究方法、期待される効果、各章の概要などをわかりやすく書く必要があります。そのため、卒論全体の構想ができていないと、なかなか書くことができません。
しかし「はじめに」に当たる部分は、研究計画書と重なる部分も多く、早い段階で教授に見せるように言われることもあるでしょう。そこで今回は「はじめに」の書き方や押さえておくべきポイントについて、わかりやすく解説していきます。この記事は、以下のような方におすすめです。ぜひ参考にしてみてください!
- 卒論の序論(はじめに)って何?何を書いたらいいかわからない…
- はじめにには、決まった書き方や構成はあるんですか?あったら知りたい!
- はじめにの文字数はどのくらいが目安なんだろう?
- はじめには、一体どのタイミングで書くのがよいんだろう?
卒業論文の書き方をわかりやすく解説-大学院博士課程学生が疑問に答えます-
卒論が進まなくてヤバい!という方におすすめの記事はこちら「「卒論がやばい!」あなたへ-現役大学院生からの7つのアドバイス」
卒論 はじめに の目的と押さえておくべきポイント
卒論の「はじめに(序論)」は、卒論全体の概要を端的に説明することが目的です。具体的には、卒論の背景、問題提起、研究目的、研究手法、期待される効果、概要などがはじめにに含まれます。
はじめには、卒論の読者が一番最初に書く部分です。そのため、はじめにがつまらないと、内容がどれほどよくてもその先を読んでもらえないかもしれません。また、はじめにで的確に論文の意図が伝わらないと、同じ分野の人に読んでもらえないかもしれません。
「はじめに」は、映画や本でいうところの導入部分です。ここでいかに読者を惹きつけるかを意識して書きましょう。
卒論 はじめに の文字数・文量-特に制限は無し-
卒論のはじめにの文字数についてですが、「特に決まった文字数」はありません。構成に沿って書き、論文を読む人が「はじめに」を読んで、大まかな概要を把握できる状態にあれば問題ありません。
ただ「はじめに」は、あくまで論文の導入であるため、そこまで多く書く必要はありません。A4で1枚~3枚程度におさめることを目指して書くことを推奨します。
あくまで大切なのは、このあと解説する背景や研究目的、各章の概要などをわかりやすく伝えることです。文字数や分量にこだわり過ぎないようにしましょう。
卒論 はじめにの書き方は?-テンプレートを見ながら内容を確認-
「はじめに」の書き方には、大枠となるテンプレートがあります。テンプレートの通りに書けば完成というものではありませんが、抽象度を上げると多くの論文がこの形になっているのです。そこで以下では、卒論 はじめにのテンプレートを見ていきたいと思います。
はじめに(序論)は、以下の構成で成り立っています。
・背景、きっかけ
・問題提起、先行研究の批判
・研究目的
・研究方法と仮説
・研究意義、期待される効果
・論文の概要
以上の流れで書いていけば、基本的に「はじめに」は問題なく書けます。そこでここからは、それぞれの部分で何を書けばよいのかと、具体的にどのような内容の文言・言い回しを使えばよいのかを解説していきます。
はじめに 背景で書くべきことと書き方
背景とは「先行研究において明らかにされてきたこと」「現在の社会において課題とされていること」など、研究を行ううえで押さえてくべきバックグラウンドを指します。そこに個人的な興味関心を付け足す場合には、「きっかけ」も書くことになります。
・現代社会においては、~~~が課題とされている。
・先行研究によれば〜ということが明らかにされている。
・従来の研究では、○○について~~~とされている。
はじめに 問題提起、先行研究の批判で書くべきことと書き方
問題提起、先行研究の批判では、研究背景を踏まえて行うべき研究課題を示したり、先行研究では明らかにされていない、もしくは間違っていると考えられるような議論の余地がある理由を説明します。
・しかし、〜という点については詳しく研究された例はない。
・ただ、〜については十分な検討がなさていない。
・先行研究においては~~~とされているが、○○という側面もあると考えられる。
はじめに 研究目的で書くべきことと書き方
研究目的では、背景と問題提起を踏まえて、この研究によって何を明らかにしたいのかを簡潔に書きます。なお研究目的・研究テーマはそれを決めること自体がとても難しいものです。以下の記事でより詳細に解説しているので、あわせてご覧ください。
・本研究では〜を明らかにする。
・本研究では、〜について検討した。
・本研究の目的は~~~~である。
・本研究のリサーチクエスチョンは~~~である。またサブクエスチョンは~~~~である。
卒論の「研究目的」の書き方を、博士課程大学院生がわかりやすく解説!-例文・やってはいけないことリストあり-
はじめに 研究方法と仮説で書くべきことと書き方
研究方法と仮説では、どのような方法で研究目的を明らかにするのか、その具体的な手法を書きます。また暫定的な仮説についても、この時点で書きましょう。
・本研究では、~~を明らかにするために○○という手法を用いて調査を行った。
・本研究の仮説として、先行研究では~~~といわれてきたが、○○となることが考えられる。
はじめに 研究意義、期待される効果で書くべきことと書き方
研究意義、期待される効果では「なぜその研究をしようと思ったのか」「なぜその研究が必要なのか」「この研究をすることで、どのようなメリットが社会や学術分野にあるのか」を書きましょう。ここはより壮大に、大きなことを書いて問題ありません。
・本研究の目的が明らかにされることで、本分野において~~~という貢献ができる。
・本研究のも目的が明らかにされることで、社会に~~~なメリットがある。
はじめに 論文の概要で書くべきことと書き方
最後に、論文の概要では各章ごとにどのようなことを書くのかを簡潔に説明します。
第 章では研究方法の詳細について説明する。第 章では、得られた結果について説明する。第 章では、得られた結果と受けて考察を行うとともに、本研究の結論を述べる。なお、付録として を加えた。
卒論 はじめに で迷う「きっかけ」の書き方
卒論の「はじめに」では、研究をしようと思ったきっかけを書きましょうと言われることがあります。これは、各本人が当事者性をもって研究を行うのかどうか、本当に興味関心があるのかを確認するために書くものです。
個人的な経験として、必ずしもきっかけを書く必要はないと思います。しかし、もし「きっかけ」を書かなければいけない場合には、具体的な出来事と絡めて書くようにしましょう。
例えば、研究のためにフィールドに入っている人は、そのフィールドに何かしらの研究目的の原石となるようなものがあるはずです。フィールドで感じた疑問や迷いが研究につながる人が多いと思うので、自身の体験をきっかけで書きましょう。
最後に-卒論のはじめには、はじめにだけど、最後に書くのが鉄則-
この記事では、卒論のはじめにの書き方について詳しく解説をしてきました。最後に1点、重要なポイントをお伝えします。「はじめに」は、卒論の一番最初に来るので、一番初めに書くものと思っている方もいるかもしれません。
しかし、それは間違いです!はじめには、最後に書くことをおすすめします。なぜかというと、卒論は書いていく中で内容が変わったり、結論部分が変わったりすることがあります。その場合に、途中の変化を全て最初に書いた「はじめに」の内容に合わせるよりも、最後に「はじめに」の内容を調整し整合性のとれた論文にするほうがよいのです。
つまり、最後に「はじめに」を書くことによって、論文を一貫したものとすることができるのです。もちろん、最初にある程度の内容を書いておくことは重要ですが、最初に書いた「はじめに」をそのまま修正せずに提出するのはNGです。必ず最後に見返して、整合性の取れる内容にしたうえで提出しましょう。
本サイトでは、「はじめに」以外にも、卒論で押さえておくべき重要なポイントや各箇所の書き方を解説しています。特に「はじめに」と同じくらい書くのが難しいのが「おわりに」です。書き方は、こちらの記事をご覧ください。
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